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2015年07月02日

天守閣木造化議論が迷走始める

 名古屋城天守閣整備の議論が迷走を始めたようです。昨日の経済水道委員会で天守閣整備について文化庁の見解の報告が行われ、それを基に議論されました。

昨日の委員会資料で示された文化庁の見解は以下の通りです。

・天守の再建については、整備主体である地元の自治体がどのような内容の整備を行うか考えることが第一。
・その上で、天守を復元する場合は、原則として材料等は同時代のものを踏襲する必要があるが、それ以外の可能性を排除するものではない。
・名古屋城天守閣については、往時の資料が十分そろていることを踏まえると、いわゆる復元検討委員会において木造によるできうる限り史実に忠実な復元をすべきとの意見が出される可能性が極めて高いと考えられる。

 新聞報道によると、名古屋市当局が「木造以外の可能性を排除しない」と説明したそうです。議員からは財源の根拠、名古屋城整備全体の構想のビジョン、経済波及効果、長寿命化に対する市民の意見などが明確ではなく判断材料が足りないという意見が出されたといいます。今後これらの論点について議論することになっていくのだと思います。私はこれらの議論がされるということは迷走が始まったと考えています。市長は2020年に復元が間に合うようにと言っていますが、これこそ国立競技場以上に間に合わない話です。このような無理な前提を議論の出発点においている限りこの迷走は止めることができないと思います。まず優先すべきことは名古屋市として「名古屋城整備」と「復元」の定義を明確にしなければならないということです。

@長寿命化をしたとしてもいずれは建て替は必要。そのことをどう判断するのか。
A耐震性能を確保するには「完全木造」は可能なのか。不可能ならどうするのか。
Bバリアフリーについてどうするのか。
C木材調達と日本全体の森林保全の関係を視野に入れたタイムスケジュールなのか。
D名古屋城全体の整備計画との関係をどうするのか。
E財源確保のスキームをどうするのか。

 細かいことは別にしてこれくらいのことを腹をくくって判断して提案しなければいけないのだと思います。両論併記の提案ではダメなのです。迷走の責任は当局側にあるのです。

 私は最終的には木造化してもいいと思っています、しかしそれは2020年完成ではなく、何十年かけての再建でいいのです。焦る必要はありません。ガウディ設計の教会、サクラダ・ファミリアは1882年に着工しいまだ建設中です。完成はガウディ没後100年の2026年予定だといいます。そこまででなくてもそれくらいの視野があってもいいと思います。私たちは100年後、200年後に国宝になることを、世界遺産になることを夢見ればいいのです。そしてその時に名古屋城が残っているためには平和な世の中がずっと続かなければならないということでもあるのです。

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