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2015年01月28日

新オレンジプランが問うているもの

 昨日、厚労省より「認知症施策推進総合戦略〜認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜(新オレンジプラン)」が取りまとめられ公表されました。それによると、高齢者の約4人に1人が認知症の人またはその予備群とされ、2012(平成24)年462万人(約7人に1人)が認知症だったのが、2025(平成37)年には約700万人(約5人に1人)が認知症になるという新たな見通しが示されました。

 この新オレンジプランの方針の7つの柱が

@認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
A認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
B若年性認知症施策の強化
C認知症の人の介護者への支援
D認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
E認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
F認知症の人やその家族の視点の重視

となっています。

 そして、今後の方向性を6点にまとめています。そのうち3点を紹介すると、

○ 認知症高齢者等にやさしい地域の実現には、国を挙げた取組みが必要。
⇒ 関係省庁の連携はもとより、行政だけでなく民間セクターや地域住民自らなど、様々な主体がそれぞれの役割を果たしていくことが求められる。

○ 認知症への対応に当たっては、常に一歩先んじて何らかの手を打つという意識を、社会全体で共有していかなければならない。

○ 認知症高齢者等にやさしい地域は、決して認知症の人だけにやさしい地域ではない。
⇒ コミュニティーの繋がりこそがその基盤。認知症高齢者等にやさしい地域づくりを通じ地域を再生するという視点も重要。

 文面だけを見るとどれも重要な視点だと思いますが、例えば、「地域住民自ら」とか「様々な主体がそれぞれの役割を果たす」という部分は、主体的な取り組みが必要だという点では同意できますが、もし、これが国からは金は出さないというサインであれば同意はできません。

 必要なことは、主体的に取り組んでいけるような形にしていくための仕掛けが必要で、それはボランティアでは成立せず(もちろんボランティアも一緒になって取り組むことが必要ですが)しっかり現場で働ける人を創り出していくために何らかのお金の投入は必要です。例えば、現場に関わる人に資格ばかりを求めることをやめ、実際に活動できる人、ヤル気のある人がもっと自由に現場で活躍できるような規制緩和が必要です。こういった仕組み・仕掛けを回していくのにいきなり民間資金だけというわけにはいかないので、税金を投入しながら徐々に民間資金などの比率を高める方法論を考え出すことは必要です。ただ税金投入は必要ないという事態はそう簡単には想定できません。税金だけではない仕組みを実現させるためには社会全体でお金のまわし方に対する合意形成が必要になるのも事実なので、道のりは簡単ではありません。ただ、行政からの補助金がないとやれないという発想からの脱却は私も含めたひとり一人に課せられた課題でもあります。

 「障害ある人が生きやすい社会は誰もが生きやすい社会になる」という私が常に主張していることと同じフレーズが新オレンジプランのまとめの中に示されています。「認知症高齢者等にやさしい地域は、決して認知症の人だけにやさしい地域ではない。」というものです。この、いい意味でのボーダーレス化をどう運動として社会に提起できるのか問われています。それは、子どもも高齢者も障害者も一緒にサービスを受けるという、いわゆる「富山方式」という発想ではないと直感しています。

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