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2012年01月24日

名古屋市の3研究所を視察

 今日は名古屋市にある3つの研究所を視察したので簡単に報告します。

 まずは瑞穂区にある衛生研究所(衛研)へ。本日新しい放射能測定装置(ゲルマニウム半導体検出器)が設置されるので工事の邪魔にならないように現在ある装置を見せていただく。チェルノブイリ事故を受けて購入したもので重さは3.7トンもあるもの。2リットルの容積を3600秒計測して最大2ベクレルまで測定できるということ。新しく入る装置は重さ1.6トン、6年リース2000万円で利用する。
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放射能測定装置

 また衛研ではJICAに来ている海外の方の研修も受け入れている。特にカビ毒については名古屋の研究所で受け入れている。食料を輸出する国にとってカビ毒を防ぎ管理することは重要な課題のようだ。また衛研の経常調査研究費は年間200万円とのこと。印象としては200万しかないのかという感じ。

 昨年10月に行われた行政評価の外部評価、いわゆる事業仕分けで廃止とされた「生活衛生センター」と連携しているというが今後それぞれの仕事をどうするのか整理が必要な印象。また衛研のホームページは名古屋市のホームページの中にあり独立したものでないために辿り着きにくいが、検索エンジンで検索すれば一発である。しかし、そんなことよりも問題は新しい情報が載っていないということだ。様々な検査結果などを迅速に掲載していく努力が必要な状態である。名古屋市の新着情報欄とのリンクもうまく考えないといけないのかもしれない。

 午後から熱田区にある工業研究所(工研)へ。ここは中小企業への技術支援や研修などを行う仕事が中心だ。X線CTによる材料の分析評価のデモを見せてもらったり、CAEというコンピューターグラフィックを利用した設計や解析をする手法を見せてもらう。外付けハードディスクの改良を行った具体例が展示されていたのだが、そこで調子の悪い対象となっていたハードディスクはなんと私が使っているやつではないか。ディスクの回転音が大きかったり、少し熱くなりやすいのではと思っていたがそのせいだったのかと妙に納得。また、「住民生活に光をそそぐ交付金」という地域活性化交付金で購入したRPという三次元造型機をみせてもらう。この交付金はもっと福祉の分野のソフト事業に使われらたらなと思っていた交付金だった。
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X線CTの装置

 工研は組織分けが、機械金属部・材料科学部・電子情報部と分けられているが少し古い感じがする。もっと学際的なというかクロスオーバー的な系統立てで整理したらどうかという印象。また業務内容が中小企業のためにいろんなことに対応するために間口を広く取っているので、かえって全体的に中途半端さを感じた。そのことが付属の図書室の内容に表れているように思えた。もっとテーマや方向性などを絞り込むことで費用対効果が高まるのではないかという印象を持った。

 最後は南区にある環境科学研究所(環科研)に。PM2.5の測定方法を見せていただく。これは大気中に漂う微粒子の中で直径が2.5ミクロン以下の微粒子でディーゼル車の黒い排気ガスが有名だ。粒子の中から金属、カーボン、イオンなどを抽出して測定するので手間のかかる作業が行われている。この取り組みは国の基準作りにも貢献したとのことでした。次にWET(総排水毒性規制)という魚やミジンコなどを工場排水などで幾世代にもわたり飼育して、その生物に与える影響を観察して判断するという新しい環境評価の手法。次にアスベストの検査。名古屋市に関する工事で出てくるサンプルをチェックするもの。最近は東日本大震災で多くの検査依頼が来て100件ほどあり忙しかったとのこと。
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黒いのが集まったPM2.5粒子

 地味な仕事をしっかりしてもらっているという印象。生物多様性、放射能汚染や新たな環境基準など新たな課題が次々に出てきているので役割はますます重要になってきているが市民には馴染みがない。環科研の活動が市民の日常生活とどう関係しているのかPRしたり、市の施策にもっと戦略的に位置づける必要があると思った。


 来年度予算で健康福祉局は衛生研究所の移転改築(守山のサイエンスパークに)の予算を要求しているが財政局には現時点で認められていない。最終的にどうなるかはわからないが、3研究所の今後の展開をトータルに考える戦略が必要だと思った。つまり3研究所がそれぞれの領分を死守するのではなく、お互いに協力して研究する体制をもっと追究する必要がありそうだ。それは研究職といわれる職種の位置づけや配置をどうするかにも関わってくる。現代社会の中で要求される内容や政策の中身が複雑化、複合化、多様化するのでなおさらである。

 今回現場で若い研究者の方たちが説明をしていただく場面が多かった。やはり未来を切り開くのは若い人なので、将来への希望を作り出すためにもこのような若者が充実して働けることも必要だという気分で一日の視察を終えた。

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