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2010年07月20日
午前10時から議会改革推進協議会が開催されたので傍聴に。今日は名古屋大学の小野耕二先生(政治学)のお話しでした。小野先生は、市民からのニーズを受け止める過程、またそのニーズを政策として執行していく過程などを政治学の基本認識からお話しいただきました。
河村市政については、河村市長の登場によって新しい問題提起が行われたこと。その提起を鵜呑みにする必要はなく、新たな議論を興し新たな提起へつなげてほしいとの話をされました。また市議会の定数については、現在の定数は適正ではないか、政治の「代表制」と「有効かつ効率性」を確保するためにはボランティアでは無理ではないか、議員が公費を使うことは特権を与えられていることになるので情報公開は必須であるなどの認識を示されました。そして議員は市民のための崇高な使命を持っているという自覚と誇りを持って説明責任を果たしてから活動してほしい、定数と報酬にふさわしい仕事をしてほしい、などと議員への期待を話されました。
その後議員との質疑応答に入り、河村市政への評価については、市政を全国区にした意義はあるが、問題提起はするがそれを実現するテクニックを持たないように思う。有能なスタッフがいないのではと分析。議員は地元に密着した活動をしているということを活かし地道な活動を通してしか支持は集まらないのではないかとも指摘されました。また、市長が批判する議員の職業化については、職業化は政治の近代化とリンクしていて、政治が独立したという意味において「進歩」だと考えられ、職業化自体は誤りではないと話されました。
また民主主義は何を正義とするかを特定しないシステムであるゆえに事前に枠をはめることは民主主義のそぐわないとの指摘をされたうえで、ヒトラーの登場のように民主主義において間違いは生じる。しかし間違える権利はあるが義務はないと話され、ブレヒトの「英雄を待望する不幸」との言葉を紹介された。
短い時間ではありましたが、骨太の講演をお聞きすることができ、今後の議会改革に重要な視座を与えていただきました。
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