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2015年08月11日
名古屋市美術館に開催されている「『画家たちと戦争展』彼らはいかにして行きぬいたのか」を見てきました。あるものは従軍画家として、あるものは表現の方向性をぼかすことで、あるものは翼賛することで、その他さまざまな方法で戦争を生きぬき、そしてその影響から脱却するのに時間がかかったことなどがよくわかる内容でした。横山大観、藤田嗣治、北川民次、岡鹿之助、松本俊介などなど有名な画家の作品が次々と並んでいます。
二つの作品が印象に残りました。ひとつは展覧会のチラシにもなった松本俊介の「立てる像」(1942年作)です。強い意志を持った男が何かに向かって立っている姿です。時代に向かってなのか、戦争に対してなのか、それとも自分自身に対してなのか。その立っている自画像は強いものを訴えています。もう一つは北脇昇の「クォ・ヴァディス」(1949年作)です。右には暗雲と雨が見え、左には赤旗を掲げる民衆の列が見えます。どちらに向かうべきなのか考えていると思われる男の後ろ姿が描かれています。この絵も時代にどう向き合うべきなのか問いかけています。どちらの絵も2015年8月現在の私自身が時代にどう向き合っているのかと問いかけてきました。企画は9月23日まで。
チラシになった松本俊介の「立てる像」
北脇昇「クォ・ヴァディス」(図録より)
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