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2015年01月18日

総論賛成各論反対をどう乗り越えるのか

 財政局が企画した市民シンポジウム「これからの公共施設を考える」を聞きに行きました。冒頭の市長のあいさつは、市債は市という組織にとっては借金だが市民にとっては財産、といういつもの話でした。借金に対するきわめてハードルの低い発言です。今日のシンポジウムはお金がないから施設の維持をどうするかという内容と全く論点がずれたままシンポジウムが始まるというのは、今の市役所の状態をリアルに反映しています。

 基調講演は東洋大学客員教授の南学さん。講演テーマは、『「拡充」から「縮充」への創意工夫』というもので、量的には縮んで機能的には充実させる視点をどう取り入れるかという話でした。自然に縮充しないので民間の創意工夫が必要で、施設という箱の論理から機能の論理への発想転換が必要だということで、台湾の無人図書館の例や山形県西川町での学校統合と図書館設置の例などを紹介されました。また行政財産の縦割り構造が問題でもあると指摘されました。

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シンポジウムの様子

 シンポジウムは恒川和久さん(名大准教授)は名古屋市は1区1館、各学区にコミセンという「公平性」で整備してきたがもう少し地域の状況に対応した方法があったのではと指摘された。一方原田さとみさん(フェアトレード名古屋ネット代表)は子育て時に図書館をよく利用した経験から、利用者が少ないというような数字だけで判断するのではなく、利用の質を考慮した議論が必要ではないかと提起されました。この論点は重要です。全体的に学校や図書館に関連することが議論の材料になりました。少子化だから空き教室が出るので民間活用や福祉分野での利用という典型的な話です。また民間、地域の人の協力という話も簡単にされているような気がしました。実際はそんな簡単な話ではないことが議論の俎上にならないといけません。

 またお決まりの教育委員会は別の論理があるからという、明確に批判してはいませんが、暗に教育委員会批判を匂わす発言もありました。こんな話を繰り返すのでは前向きの議論はいつまでたってもできません。シンポジストの人が学校の周辺の見守り活動をするのではない(多分)ので議論が上滑りです。実際に必要なのは役所が考えていることを整理して市民に説明し、地域の人の思いをうまく引き出すコーディネーターが必要だと私は思っています。そこで丁寧な議論をすることでしか総論賛成各論反対を乗り越えることができないと思います。そしてその役割はボランティアではなく仕事として行われる必要があると思います。

 その役割はアセットだけではなくこれからの市の施策展開において必要な役割だと思っています。まずはそのような人材を全庁的にどう創り出し、確保していくのかが問われているように思います。その意味で市の職員の説明能力、プレゼン能力を磨かなければいけないと思います。そのためのトレーニングが必要なのかもしれません。今日の田宮副市長のアセットマネジメントの取り組みについての説明は原稿を読んでいるという感じで、事前に知識のない市民を説得するにはいま一つの感じでした。

 そして南さんが田舎の具体的な事例を紹介しながら「このよう事例は名古屋市では難しいかもしれないが」という発言をしていましたが、実は、なぜ名古屋市では難しいのかを具体的に分析し明らかにすることによって名古屋市では何ができるのか、何が必要なのかが分かってくるのではないかと思うので、なぜ難しいのかの話を聞きたかったです。各地での成功事例をまねるのではなく、成功事例をしっかり分析した内容を名古屋市の施策に生かすという作業をまず取り掛かってみてはどうかと今日のシンポに参加して思いました。もちろんそれは政治家の大きな役割だとも思います。

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中区役所ホールの緞帳の図柄を
初めて意識したような気がします

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