« ヘイトスピーチ対策の意見書を採択しました | メイン | 姉妹友好都市親善使節団歓迎レセプションは市長の独壇場!? »
2014年10月16日
昨日地域委員会に関する提言書が発表されました。副題は「地域委員会の新たなモデル実施(第2期モデル)検証結果報告」となっています。提言書の主な内容は次の通りです。なお提言書は下記からダウンロードできます。
http://www.city.nagoya.jp/somu/page/0000063782.html
・地域の自主性を重視した手上げ方式が現実的である。
・地域コミュニティのさらなる活性化のためには、地域委員会と学区連絡協議会の連携・協力をさらに深め、地域委員会の「公開」と「参加」の仕組みが地域の取り組みにつながっていくことが望ましい。
・30人必要な発起人人数の再検討。
・区役所が主体となり、地域と協力して投開票事務を行うなどの仕組みの検討が必要。
・運営事務局員の負担軽減を図るため、事務作業の簡素化を進めるとともに、運営事務局員に必要な情報や知識を提供するため、講習会などを適宜実施する必要がある。
・市及びそれぞれの地域委員会において、取り組みの重要性をアピールすることや、参加しやすい体制を整えていくことが必要である。
・地域予算については、第2期モデル程度の限度額(約300万円)でスタートすることとし、地域の実情や市の財政状況を勘案し、限度額を変更していくことも視野に入れるべきである。
以上が提言書の概要ですが、はっきり言ってこれからも積極的に実施していけばいいという提言内容にはなっていません。全体的に手続き論について言及されているだけで、一番重要だと思われる地域住民のニーズがどうくみ取られ、どう課題が解決したのかについてはまったく触れられていません。「地域委員会の「公開」と「参加」の仕組みが地域の取り組みにつながっていくことが望ましい。」というのですから現実はつながっていないという分析結果と読めると思います。「市及びそれぞれの地域委員会において、取り組みの重要性をアピールすることや、参加しやすい体制を整えていくことが必要である。」という指摘からも分かるように地域委員会に対する市民の認知度は非常に低いと思います。また地域予算については、「地域の実情や市の財政状況を勘案し、限度額を変更していくことも視野に」というのは素直に読めば300万より少なくなるのも仕方ないと解釈できます。このような状態のままではよほど根本的な制度設計の変更がない限り地域委員会の存続は困難な状況が示唆されます。
私は以前から河村市長がこだわる選挙で地域委員を選ぶことをやめることが第一だと思っています。地域のために何かしたい人は誰でもいいから参加をして、それこそ学校の体育館に200人、300人と集まって議論をし意見をまとめあげることが出発点であった方がいいと思います。ただ地域のために何かしたいというだけではあまりにも漠然としていて収拾がつかないと思います。そこで、地域の中で多くの人が共有できるような課題、例えばひとり暮らし高齢者の抱える課題を解決するために福祉の制度だけではなく自分たちが何ができるのかとか、商店街の空き店舗を地域のために有効活用できないかなどというようなことにアイデアを出し合い具体化するというようなことが求められている課題解決なのではないでしょうか。そして出したアイデアをもって市に予算を要求し認めてもらう補助金の形にすれば現在の地域予算の煩雑な事務作業が改善されるはずです。予算要求の段階で市の査定を受けるので上限額を設ける必要はないと思います。これくらい制度変更する必要があると思います。
ただそれ以前の前提として、議論ができるコミュニティの存在を創り出すことが先決です。そのためにどうするのかこれは全市的、全庁的な議論が必要です。「わたしたちの地域のことは、わたしたちが決める」が地域委員会の理念だと提言書にも書いてあります。しかしそのことが実現するには、地域の人が文句だけを言っているだけでは、サービスの受益者の立場だけに留まろうとするならば決して達成することのできないことを示しているスローガンであるということを知るべきなのです。
コメントしてください