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2014年05月22日

保育所待機児童ゼロの数字に振り回されずに

 今日名古屋市は4月1日現在で保育所入所の待機児童がゼロであると発表しました。その内容をみると、4月1日現在で保育所・家庭保育室に入所できていない児童は756人(前年比マイナス308人、29%減)となりましたが、国の基準に基づく児童を除外すると待機児童数は0人(前年比280人)となったというものです。

 入っていない児童は実際には756人いるけれど国基準という条件を当てはめると0(ゼロ)になるという手品のような状況です。

 応募はしたけれど希望の保育園以外は行かないという意思表示を示した688件は756人から除かれるし、保育園に入所できなかったがゆえに育児休業を延長した人も除かれます。このようにして除外していくと待機児童がゼロになったというわけです。

 こう考えるとゼロになったからと問題が解決していないことは歴然です。待機児童を少なくしていくことは大切でゼロという目標でも立てないと整備が進まないということもあるので「待機児童ゼロをめざす」という設定は必要だと思います。しかしゼロかどうかは日々変動することなのでことさら強調しても意味がありません。待機児童をゼロにする結果だけを追及すれば保育環境は後回しということになりかねず(少しそういう側面もありそうですが)、そうなれば親は安心して預けることができません。

 来年度からは子ども子育て新システムの中で保育所入所に関して簡単なアセスメントが行われることになりますが、当面は的確に家庭のニーズ・環境を把握してその優先度に応じて適切に入所先を決めていくことを着実に行うことが重要だと思います。

 今年度は2630人分(うち3歳児未満時1525人)の入所枠拡大を行いますが入所を希望する人はまだ増大しそうです。少子化だけれども入所希望者は増えるという複雑な状況で必要な整備量を判断するのは難しいですが取り組んでいかねばならない課題です。

千種区で入所できなかった児童数は(カッコ内は名古屋市全体)
0歳児 5人 (94人)
1歳児13人 (293人)
2歳児 7人 (200人)
3歳児 2人 (116人)
4歳児 1人 (23人)
5歳児 0人 (30人)
 計  28人 (756人)

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