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2012年01月30日
陽子線治療施設の内覧があるので市役所からバスで現地へ。施設や設備を紹介する短い映像を見てから照射室へ。その照射室の裏にあるガントリーと呼ばれる陽子線を患部に適切に照射するための200トンの重さがある巨大な回転装置を見せてもらう。円形の装置に50トンずつの重さを配置してバランスをとることで小さな駆動力で動かすことができる。
照射室。手前の台に乗る。
左側部分から照射される。
それから陽子線の加速器を見せてもらう。陽子線はがん組織に集中して照射しやすい性質があり正常細胞の損傷が少ないといわれている。今回名古屋市が導入したのは日立の機械で、スポットスキャニング(陽子線を患部にスキャンするように動かしながら照射する方法)という照射も可能で世界最先端の能力を持っています。小さな水素ボンベの水素原子から取り出した陽子を1周23メートルのパイプ?を500万回(約地球3周分とのこと)回り光速の60%まで加速し、陽子線は最大250mev(通常は150〜200mevとのこと)のエネルギーを得てがん組織に照射され、約30センチの深さまで届くということだ。ちなみに加速する際に使い電磁石の磁力は1テスラほど。どれくらい強いのかはよくわからないが説明によると近づくと機械式の腕時計は動かなくなるらしい。前立腺がん、肺がん、肝臓がん、小児がんなどに有効な治療方法である。特に小児がんの治療では小さい時の放射線被ばくが少なくて済む方法である。
陽子線を遮蔽する厚い壁
加速させるための磁石
陽子線が回るパイプの一部
治療ではいい面が目につくが、運営面などでは課題も多いです。まず問題は、市長が建設の是非を考えるためと工事を一時ストップしたことにより日立が被った損害4億8000万円が名古屋市に請求されているという問題です。契約を結んだ後のストップなので、市長がよく例えに出す商売のルールからすれば払わざるを得ないのではないでしょうか。この建設では総事業費245億円がかかっており、今後継続的に運営費も生じます。この事業費などを回収していくには患者数を適切に確保すること、また装置の運転時間を長くすることが必要です。そのためにはスタッフをしっかり確保することが必要ですし、現在保険が適応されず治療費が240万〜280万ほどかかる陽子線治療を保険適用にしていくことが求められます。保険適用までは自治体からの補助も必要、特に東海3県の自治体で必要です。また民間の医療保険は保険料の少額の加算で対象にもなるのでそのことの周知が必要です。また「医療観光」ということも検討課題です。また短期間宿泊しながらの治療も想定されるので、ホテルなどと連携して宿泊料が安くなるような方策も考えたいものです。早ければ2013年3月には一部治療が始まる予定です。
昼からは総務環境委員会で地域委員会についての審議。1月10日に当局が示した新たなモデル事業についての議論の続きでした。最初議事運営を巡って、つまり議員間討論をするかしないか30分ほど紛糾後議論に入った。私は郵便投票制度では投票用紙が各家庭に送付されることは問題ではないかという指摘をした。不正行為などが生じやすい環境を作るべきではないと思うからである。
今日は監査の会議も重なっていて途中で退席。監査の会議を終えてもまだ委員会をやっているというので再び委員会室に戻る。議員間討論の最後の部分でした。通常は日程が重ならないようにするのだが、今回は予算提案の前にとにかく委員会の議論をしておきたいという当局の意向がある中の日程調整の結果であった。不満ではあるがやむを得ないと承諾したのでした。
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