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2015年06月06日
福島県の農家が生産するお米が売れません。国の設定する百ベクレル/s以下なのは当然で、実際はもみ殻が付いた状態で数ベクレル。精米して水でよく流せばほとんど放射性物質は除去されるお米で、なおかつ有機農業で作っているお米が売れないそうです。そんな状況の中で被災地東北の生産者を支え続けるためにはどうしたらいいのかを考える集まり「福島のお米カフェ」(主催:生活クラブたねまきの会、わっぱの会、チェルノブイリ救援・中部、半歩プロジェクト、オアシス21朝市村、STAなみだの分かちあい)があり参加しました。
一つには完全な風評被害、つまり福島=放射能というレベルの風評が大きいということです。もう一つの側面としてどのレベルまでなら放射性物質が許容されるのかということではなく、少しでも放射性物質が含まれていてはダメという意識が農家を支援したい気持ちはあるけれども購入できないという状況を生んでいるということです。福島でコメの生産を続ける農家の方は「自分が作ってきた田んぼを捨ててどこかに行くことはできない。そこで(福島で)作る選択しかないんです。」、「どこまでが安全なのかは結局はそれぞれが判断するしかない。自分も孫に放射性物質があるものを食べさせたくないという気持ちはある。」などの言葉は重いものがありました。消費者である者が生産者のこの苦しい気持ちをどう理解し、どう支えるのかということなのです。
お米の甘さを感じるおにぎりでした
私は、放射線を怖がる原因がどこにあるのだろうか自分自身に問いかけてほしいとコメントをさせてもらいました。もちろん放射性物質があっても食べた方がいいとはとても言えません。しかし根拠もなく怖がることは、障害ある子供が生まれてほしくないという意識とつながっているということを指摘したかったのです。放射能についての学習もあり充実した内容でした。試食で出された福島のお米で作ったおにぎりは非常に甘くおいしいものでした。私たちはこのようなお米を噛み締めて食べることが都会の消費者の責任ではないかとも思います。
また、今回の集まりには南相馬市にある相馬農業高校から二人の高校生が参加していて、放射性物質で汚染された農地にナタネを植え、セシウムなどを吸収させて土壌改良しながらそのナタネから搾った菜種油を販売して農家の収入にしようというプロジェクトにどうかかわったのか報告がありました。ナタネの種には放射性物質が移転しないので菜種油には放射性物質が検出されないのです。その菜種油は希望の菜種油「油菜(ゆな)ちゃん」と高校生に名づけられラベルのデザインもしたそうです。高校生の報告はまさに福島の希望を語っているように感じました。依然として収束しない原発問題の中でどう生きていくのかということだと思います。午前中には南陽高校カンパニー部の高校生との午後には西尾の高校生との交流が行われ、カンパニー部の学生さんたちが「油菜ちゃん」を使ったレシピを考えてみたいと言ってくれ、また最後に福島の高校生に感想を聞いたら「楽しかった」と言ってくれたことがうれしかったです。
高校生の交流会
相馬農業高校生による「油菜ちゃん」の発表
生搾り製法でさわやかな草の香りがします
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