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2015年02月16日
2月議会が開会しました。開会の前に恒例の名古屋フィルハーモニーによるミニコンサートが行われました。ヘンデル、バッハ、ヴィヴァルディ、ハイドンとバロック・古典派の聞きなれた曲が演奏され、アンコール曲のバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」は心に沁みました。
指揮はコンサートマスターの田野倉雅秋さん
続いて河村市長から提案理由説明がありました。時間は45分くらいだったと思います。子どもや若者に対する次世代応援施策、予防医療、災害に強いまち、リニアへの対応などに触れながら予算案の柱を説明しました。全体的に新味はなく、おとなしい説明でした。市長の肝いり的な施策として、名古屋城天守閣木造化、アジア最大級の国際展示場、1000メートルタワー、熱田神宮の盛り上げ、名古屋フィルハーモニーの盛り上げ、子ども応援委員会の6項目を主要な構想「Take5プラス」と命名していると紹介しました。
議場では、名フィル盛り上げるのなら開会前のミニコンサートに「出席しないかんわ」と野次が飛びました。市長は以前から「予算編成権者が無料でコンサートを聞くのは便宜供与にあたりよくない」との理由でコンサートを欠席しているのです。市長はこういうのですが、誰が誰に便宜供与しているのかと不思議に思います。市長が無料で30分のミニコンサートを聞いて予算の内容を左右するというなら話は別ですが、演奏を聞きたくて応募して当選した300名を超える方々も存在する中で市長の理屈が私の中ではストンと気持ちに落ちないのが正直なところです。それはさておき、「Take5プラス」の1000メートルタワーはやはり論外な感じがします。
続いて人事委員会に関する条例案に対して意見が求められ、柏森人事委員会委員長は職員の給与に関する条例案について、「人事委員会勧告の趣旨は、本市職員の給与水準の全体としての引き上げを求めるものであり、国や地方公共団体との均衡も考慮しつつ、勧告どおり民間給与との較差を解消させることが望ましいと考える」「今回の改定内容は、管理職員の給与引き上げを見送るものであり、勧告内容の一部実施となり、勧告の趣旨と異なる」「地方公務員法では、職員の給与は、職務と責任に応ずるものでなければならないと定められており、この職務給の原則に照らしても、本来の給与制度のあり方に悪影響を及ぼすもので、本委員会としては、極めて遺憾であります。」と毅然と意見を述べられました。
人事委員会から「極めて遺憾」という意見が示されるという極めてまれなことが起きました。この意見を聞いて市長は「えらい優しいなあ」と、つまり公務員に優しいなあという意だと思われる発言をしていました。優しいとかそんな問題ではなく、人事委員会はルールに乗って粛々と勧告を出したのだと思います。このやり取りは今の名古屋市政を象徴するようなやり取りでした。
さらに「おまけ」の出来事がありました。市長の提案理由説明が終わり着席すると、鵜飼議長から「市長に確認したいことがある」との発言があり、何事かと注目すると、市長の提案理由説明の中で原稿と異なる部分(保健所となっているところを保育所と発言、1兆722億円のところを1兆772億円と発言)があったので確認を求めたのでした。市長は原稿通りと訂正しましたが、議事録に間違って記録されることを未然に防いだ鵜飼議長の適切な判断が光りました。
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