« 「がんばろう木曽セット」が届きました! | メイン | 「不戦ネットワーク」が活動20年を迎えました »
2014年12月20日
議会における障害者差別の問題がまた生じてしまったようです。今回の問題は、がんで声帯を失った本間正巳酒田市長に対して、ある会派の議員が「電子音声のため話す内容が聞きづらく市政に影響が出るので辞職勧告決議案を出してはどうか」と提案があったというのです。
聞きづらいのならそれを補うための方法論を考えればいいのではないでしょうか。その努力をすることが、障害者差別解消法の趣旨でいうと「合理的配慮」をするということではないでしょうか。できないなら辞めてもらおうという発想が問題です。発言をした本人は「差別する意識はなく困惑している」とお決まりの対応をしていることもネットで報じられていました。
ただ、この本間正巳酒田市長は、5月から入院していて半年ほど市政から離れていて、市政が停滞しているという批判があったようです。でも今回のような理由で辞職を求めるのはもっての他だと思います。ただ、救われるのは他会派がこの提案を事実上門前払いにしたことです。
以前、中津川市議だった小池公夫さんも同様に声帯を失い、発言の代読を求めたけれど議会で認められず本会議で質問できずに議員を引退したという事件が生じたことがありました。「代読裁判」の判決では人権侵害を認め、賠償を認めた判決も出されことが想起されます。
以下に山形新聞の記事を引用します。
咽頭腫瘍の手術で声帯を失い、機械を喉元に当てて電子音声で会話している酒田市の本間正巳市長に関し、市議会第3会派「市民の会」は16日の議会運営委員会で、市政への影響が懸念されるなどとし、本間市長の辞職勧告決議案を検討するよう求めた。「声が聞き取りづらい」との論旨で根拠が不明瞭なことから、他会派は同意せず、市議会として提案しないことを確認した。
「市民の会」所属の武田恵子委員が「全国市長会や県との折衝で意思が十分に伝わるのか。市長答弁の趣旨確認や補足説明が必要になる」などと述べ、決議案提出の検討を要望した。これに対し各会派は「今、この問題を取り上げる必要はない」「同意はできない」と回答。後藤仁委員長は「復帰したばかりの市長には粛々と業務をしてほしいとの思い」と総括し、提案を退けた。(2014年12月17日 山形新聞)
コメントしてください