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2005年03月02日

予算編成を骨格予算にしなかった理由について(2005年2月議会)

◎斎藤亮人議員
 平成17年度の予算編成において、市長は骨格予算を組まれませんでした。しかし、通常政治の世界の常識では、選挙直前の予算編成になる場合は骨格予算を組むというのが通例であります。新たに市民から選ばれた人に予算編成をする余地を残すために骨格予算にするからであります。
 幾つかの例を挙げてみます。平成15年4月に行われました三重県知事選挙に際しまして、立候補を取りやめた北川知事は、15年度予算を一般会計で前年比7.6%減の予算で組みました。そのときの予算の提案説明において、当時の北川知事は、新しい価値創造に係る政策判断については、新しい知事にゆだねたと述べました。この場合、北川知事は立候補を取りやめていますので、松原市長の場合とは少し違いますけれども、北川知事はこのような姿勢を示されました。もう1点、松原市長と同じようなケースが、同じく平成15年4月に選挙のあった鳥取県においてであります。再選を目指した片山知事は、年度当初から本格的な予算が組めないということは、ある意味若干の空白期間があったり、本来やるべきことがちょっと停滞するという面は否めないが、予算編成のエチケットとして、選挙が終わるまでは新規、大規模なようなものは控えると記者会見で述べておられます。このように一定の見識を示されているわけです。
 私は、選挙情勢がどうであろうと、市民からの審判を受ける前は骨格予算にするのが政治家としての品のある姿勢ではないかというふうに思います。確かに政治は現実というものがあって、さまざまな争いや妥協というものはせざるを得ないというのは確かであります。しかし、政治家としての品格を持った政治姿勢こそが真に市民から信頼を得られる政治をつくり出すと思うのです。
 また、4月の選挙に向けて松原市長は、基本政策であるマニフェスト21を示されました。最近では、国政選挙における政党の主張が具体的な数字などを盛り込まれて主張される。また、公職選挙法も改正され、このようなものが国政選挙においては配布が可能になっているわけであります。その意味で、選挙におけるマニフェストの重要性の認識というものが広がりつつあると思います。
 地方自治体の首長選挙においてもマニフェストが示されることが多くなりまして、この2月には、ローカル・マニフェスト推進首長連盟というものも結成され、知事16名、福岡市、川崎市、横浜市などの政令市などの市長を初め、152名の首長の方々が参加されています。マニフェストを示すのは、広く有権者に自分の政策を提起し、みずからの政策を明確にするプロセスの一環として位置づけられていると思います。だからこそ選ばれた市長は、マニフェストに従って責任を持って施策を実施していくことになるわけです。
 以上のような理由から、私は平成17年度予算は骨格予算にすべきだと思います。なぜ今回骨格予算を組まなかったのか、市長の考え方を伺いたいと思います。
 
◎松原武久市長
平成17年度の予算編成に当たりましては、安心・安全をささえあうまち、環境と個性のとけあうまち、人と産業をはぐくむまちの三つを重点テーマとして、未来への布石、協働性、そして緊急性の三つの視点から、限られた財源を効率的、重点的に配分することによりまして、名古屋新世紀計画2010の第2次実施計画を着実に実行して、生活、環境、文化、産業のすべての分野にわたって調和のとれた誇りと愛着の持てるまち・名古屋の実現を図ることとしたわけでございます。
 とりわけ本市が直面しております課題、例えば次世代の育成支援、安心・安全・快適なまちづくり、あるいは地震対策の基盤づくり、そして交通戦略、産業の創出・活性化など、一刻の猶予も停滞することもなく、適時適切に対応していくことが市政を運営する上での基本との考え方に立ちまして、現時点で見込み得るものはおおむね当初予算に計上したところでございます。よろしく御理解を賜りたいと存じます。

◎斎藤亮人議員
まず、市長の方にもう一度伺いたい。御理解をお願いしたいというふうに言われましたけれども、しかし、今市長は一刻の猶予、停滞は許されないんだというようなことで骨格予算にしなかったんだという答弁をされました。
 確かに次世代育成対策や児童虐待の問題、災害対策ということは、確かにそういう面があります。また、こういうことについては、病後児保育の問題にしましても、委員会や本会議の中で何度も議論をされてきたことであります。例えば30人学級にしましても、4月からできなくて学年の途中から急に30人学級になるというのでは、やっぱり都合が悪いし、混乱するだろうというようなこと。それから、例えば障害者の問題でいいますと、中高生の障害児放課後支援事業というのがありますけれども、こういったものは既に概算要求等で国がもう施策を打ち出していたものというようなもので、こういったものを当初予算に盛り込んでいくということについては、一定程度理解ができるわけであります。
 しかし、今回の予算と、それから市長のマニフェスト等見させていただきますと、東山動植物園再生プラン策定に1000万円、地域密着型ビジネス創業支援施設の整備に2500万とか、NPO活動支援施設に2500万、産業技術未来博物館構想の基礎調査に500万などが新しく新規事業としてのっているわけですけれども、これは果たして本当に今言われました一刻の猶予も停滞も許されない事業なんでしょうか。これは、この今の市長の答弁では全く説明ができないと思うんです。もちろん額が少ないからこれはもういいんだということでは、私は済まされないと思います。
 といいますのも、市長のマニフェストには、若干なぜか字句が違うわけですけれども、産業技術未来博物館構想に当たるものに産業未来博物館とか、東山動植物園再生プランに当たるだろうと思われる野生体感型動植物園というものがマニフェストに登載されているわけであります。このような手法というのは、私は余りいい方法ではない、禁じ手のようなものではないかと思うんです。マニフェストが先に出され、そしてその後に予算編成が来るということであります。今話題の新株予約権のようなことかもしれませんけれども、しかし、私は、まずこういった今言ったような事業については、とりあえず予算を修正して取り下げて、選挙後に新たに提案したらどうかと思うんです。
 例えば、私もこの東山動植物園の再生プラン、これはなかなかおもしろい。しかし、これはいろんな意見がある。また、市民からいろんな意見も聞けばいい。こういったようなことを考えるわけです。例えば本陣小学校の使い方にしても、このNPO等の施設として使うという話になっているわけですけれども、私などだったら、もっと福祉のスペースとして使えないだろうかとか、産業技術未来博物館というのは本当にこれは必要なものなのだろうかと、いろいろ思ったりするわけであります。こういった議論を逆に選挙の中で、市民の中で広く議論をしていく。そして、その結果を施策に反映させるという方がいいんじゃないかと思うんです。そういった意味で、もう一度今言ったような施策が本当に一刻の猶予もないものなのかというようなことについて、市長に再度質問したいと思います。
 
◎松原武久市長
何度も御質問いただいてまことに恐縮でございますが、平成17年度予算につきましては、先ほど申し上げたとおり、名古屋新世紀計画2010の着実な推進を図るために、可能な限り見込み得る施策を盛り込んだところでございます。これは、第1次、第2次実施計画の延長上の内容でございまして、ポスト万博も視野に入れた今後の方向性を決める上で大切な施策も当然含まれておると、こういうことでございます。
 また、東山動植物園の再生につきまして今お尋ねあったわけでございますが、このことにつきましていえば、例えば、平成15年の7月に策定、公表いたしましたなごや東山の森づくり基本構想におきまして、その基本方針の一つとして位置づけられたものでございまして、また、昨今の他都市の動物園もさまざまな工夫などがなされておりまして、社会の注目も集めているところでございます。本市といたしましても、再整備の必要性を強く感じているところでございまして、こういった状況から、東山動植物園の再生を喫緊の課題としてとらえたわけでございます。
 また、産業技術未来博物館構想についての御指摘もあったわけでございますが、このことにつきましていえば、第2次実施計画の中で産業遺産の保存・活用といったような観点から、名古屋の物づくりの歴史上貴重なものにつきましては、将来にわたり引き継がれていくようにということで、その保存活用についての言及をいたしておるところでございまして、そういったものの延長線上ということで御理解を賜りたいと思います。
 
◎斎藤亮人議員
 やはり私は、今の答弁でも、先ほど最初に言われた一刻の猶予、停滞は許されないというところとはどうしてもつながらないわけであります。マニフェストを掲げていろいろ選挙戦をこれから戦われると思うわけですけれども、そういった時期だからこそ、先ほど他県の知事の例も出しましたけれども、やはり政治家としての政治姿勢をしっかりと節度あるものとして持っていくということが必要だと思うんです。そういった意味で、今の市長の答弁では、残念ながらその点は理解ができません。

長期的な住宅政策の必要性について(2005年2月議会)

 私は、前回の質問に際しましても、住宅の問題を取り上げました。衣食住と言われるように、住宅の問題は人間が生活をしていくために基本中の基本であるというふうに考えています。だからこそ、自治体において住宅政策がどれだけ充実しているかということが自治体の豊かさを示すのではないかというふうに私は思っています。
 現在名古屋市の住宅政策は、新世紀計画2010に掲載されている住宅部分が該当しています。従来名古屋市には、平成3年から12年の10年間を期間とする名古屋市住宅供給基本計画がありました。その後、平成12年3月の名古屋市住宅対策審議会の答申の内容が2010の計画に受け継がれて、進行管理は現在実施計画でやっていくという仕組みになっています。しかし、私はそれだけでは不十分である、もっと長期的な視点に立った住宅基本計画を名古屋市でも策定したらどうかと、そして、住宅政策を総合的に進める体制をとってはどうかというふうに思うんです。
 平成15年に行われました住宅・土地統計調査の速報によりますと、住宅の総数はその5年前の調査に比べて8%伸びているのに対しまして、空き家は17.7%増加している。名古屋市の1世帯当たりの人員も、平成3年には2.68人だったのが昨年には2.33と13%も減少しています。単身高齢世帯は、国勢調査のたびに四十二、三%の割合で伸びを示しておりますし、単身者向けの住宅は、公営住宅の倍率は平成15年度では49倍。しかし、この5年の単身者向けの住宅の供給戸数は、毎年200戸前後で推移するような状況でしか対応できていません。福祉向けの住宅の倍率においても、障害者世帯の場合、この3年間、10倍前後で推移しています。
 このような状況を打開するには何らかの方策が必要です。民間のストックを有効に活用する施策、住みかえがしやすくなるような施策など、課題は山積であります。また同時に、日本の住宅政策は大きな変動期にあります。今国会には公営住宅法の改正や、また、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案が上程されております。そして、18年度中には住宅基本法をつくろうというような形で物事が進んでいるわけであります。
 このような中で議論されている大きな柱に、公営住宅のセーフティーネット機能の役割を果たそう、果たさなければいけない、そういう役割を持たせようということがあります。政府も、子育て世代やDV被害者などの住宅弱者に対してどういうふうに円滑に入居してもらうか、民間活力との連携によって、福祉との連携もやりながら、どうやって入居していってもらうかというような議論が進められているわけであります。
 そういった時代が今進んでいる中で、私はこの名古屋市で住宅基本計画をつくるべきだというふうに思います。政令市の中で、実は住宅基本計画がないのは、大阪市と広島市と名古屋市であります。何も計画をつくればいいというものではないかもしれませんけれども、このように国の動向が大きく変わる。そして、これは急にあらわれたわけではなくて、平成15年から国の審議会等でも新たな住宅政策のあり方が示されている。そういう中であればこそであります。
 そこで、住宅都市局長に、まず、この住宅基本計画の必要性の認識についてどうお考えになっているのか、そして、17年度予算の中で少しでもこの策定に向けての取り組みがなされるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
 
◎住宅都市局長
 まず、必要性について触れる前に、私どもの基本的な考え方をお答えさせていただきたいと思います。まず、住宅は、市民の皆様にとりまして重要な生活基盤でございます。長期的な視点に立って、すべての市民がみずからの努力に応じて良好な居住環境を確保できるようにすることは、市政の重要な課題の一つであるというふうに認識しております。
 本市におきましては、御指摘ありましたように、平成12年3月の名古屋市住宅対策審議会答申を踏まえながら、名古屋新世紀計画2010の部門別計画におきまして、良質な住宅の形成やいきいきとした交流の促進、市民とともにすすめる住まい・まちづくりなどの住宅施策の基本方針を定めているところでございます。これらの基本方針に基づきまして、市営住宅を初めとします公的住宅ストックを活用しました住宅困窮者の居住の安定や住情報提供を通じました市民の適切な住まいの選択の支援などを図ります各種事業を位置づけているところでございます。今後もこれらの基本方針に基づきまして、少子・高齢化や障害者のノーマライゼーション、地球環境問題などに対応する各種施策と連携いたしまして、住宅施策の展開を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、住宅基本計画の必要性についてでございます。これまでも名古屋新世紀計画2010に基づきまして、関連部門と連携しまして諸課題に取り組んできております。また、引き続きこの計画のもと、適切な役割分担と相互連携を図ってまいりたいというふうに考えております。なお、御指摘ありました国におきましては、地域における住宅に関する多様な需要に的確に対応するための新たな特別措置法が今国会で審議される予定だと伺っております。このほかにも、来年の通常国会に向けまして住宅建設計画法など、これまでの住宅施策の制度枠組みにつきまして、抜本的な改正が検討されているというふうにもお聞きしております。今後の本市の住宅計画のあり方につきましては、名古屋新世紀計画2010を基本としながらも、今後の法令改正の動向などを見きわめながら適切に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。

◎斎藤亮人議員
住宅都市局長が基本計画についての重要性について言われたわけですけれども、しかし、先ほどから繰り返されて言われているのは、連携をしてやっていくんだということばかりを言っているわけです。しかし、どうやって連携するのかということが全然描かれていないわけであります。それが住宅基本計画で必要だというふうに言っているわけですから、これは早急に、平成17年度の間に住宅基本計画の策定準備を始める。そして、もう既に18年度には、先ほど言いましたように住宅基本法が策定されるかもしれないという状況であります。その意味でも、着実で、そしてまた万全な準備をした上で、名古屋市独自の、また地域に密着した住宅基本計画をつくっていただきたいと強く要望します。

2004年10月01日

安心・安全で快適なまちづくりなごや条例についての反対討論(2004年9月議会)

◎斎藤亮人議員
 1点目として、この条文の性格を示す前文は非常に問題があるということです。
 17世紀に名古屋の基礎ができたという歴史認識は問題です。名古屋市が編さんした名古屋市史を見ても、17世紀以前からの生活の営みは確実に存在していることがわかります。17世紀以降、つまり徳川家という区切り方は、世界各国で先住民たちの存在を軽視してきた歴史観と通じるものがあります。また、災いをチャンスに変える志とか、地道な協働の努力が名古屋市民の伝統という評価は、行政の一方的な言い方ではないでしょうか。伝統という言葉はもっと大切にした方がいいと思います。
 2点目は、条文の中に、すべての市民が主体的にまちづくりにかかわることという規定があるように、地域住民の主体性を条例で規定するのは本末転倒だということです。主体性をわざわざ規定すること自体、この条例が目指す協働というもの、また、その前提にある市民参加というものの理解が間違っていると言わざるを得ないのです。だからこそ、犯罪に遭わないように努めるなどという妙な条文を生んでしまっているのです。このような条文を認めるならば、名古屋市の進める協働というもの自体、問い直す必要があると思います。
 3点目として、今回の条例制定により実効性がどのように担保されるのか、明確でないということが問題です。私は、委員会の議論を経てもこの疑問は解決しませんでした。法律、今までの条例、そして今回の条例と屋上屋を重ね、3階建ての構造は実効性の筋道をますます見えにくくするだけです。このような内容の条例であれば、今制定する状態なのかどうか疑問です。附帯決議の内容を見ても、今条例を制定するには議論不足だということを露呈しています。具体的なことを別に決めるというのみでは白紙委任の状態です。責任を持って判断できる状態ではありません。

2004年09月21日

ドメスチック・バイオレンス対策について(2004年9月議会)

◎斎藤亮人議員
 平成11年に名古屋市が女性への暴力ということに関しまして調査を行いました。その答えは、6割の女性が被害経験があったと。そして、6割の男性に加害経験があったという結果が出ています。その意味では、数が一致しているわけであります。6割の人がそういった経験をしている、6割の人が加害を体験しているということを考えますと、これは極めて大きな問題ではないかというふうに思います。
 そして現在、名古屋市においてドメスチック・バイオレンス対策、DVと言いますけれども、DVに関する取り組みはどうかというふうに言われますと、基本的には総務局の男女平等参画推進室で行われているわけであります。じゃ、それ以外の部局でどういうふうな取り組みがなされているのか、明確な位置づけがある取り組みがあるかというと、私はそれはなかなかなされていないのではないかというふうに思うわけであります。例えば、現実的には母子寮等を弾力的に運用しながら、その中で緊急一時保護的なことはやっておりますけれども、健康福祉局の中で、事務分掌的にドメスチック・バイオレンスをこういうふうにするというようなものはないわけであります。そう考えますと、私はますますいろんな部局が取り組む重要性が、特に健康福祉局が取り組む重要性は高まっているのではないかというふうに思うわけです。
 DV法は改正されまして、新しい法律が施行されたわけですけれども、その中には、福祉事務所の責任として自立支援という項目が新たに定められました。福祉事務所は必要な措置を講ずることに努めなければならないというふうに規定が新たに定められました。やっぱりこの福祉事務所のことが新たに定められたということを私は強く受けとめる必要があると思いますし、何をすべきかが問われると思います。
 男女平等参画推進センター「つながれっと」では約2,000件の相談がありますけれども、その4分の1がDVの相談であります。そして、来所される方、240名ほど見えるわけですけれども、来所の相談の約半分、124件はDVの相談であります。しかし、いろいろお話を聞きますと、そこでお話を聞いても、具体的にどうするかという話になると、そこの「つながれっと」の中では福祉の権限がありませんので、また区役所に行かなければいけないというような、いろいろ二度手間になったり、そこでまたワンクッションあるようなことになります。そう思いますと、なかなかそこにすぐに対応できないというようなことが問題としてあるわけです。
 さらに、DV改正法の第3条の中でも、市町村は適切な施設を配偶者暴力相談支援センターに位置づけることができるというふうにしていますけれども、そのセンターを例えばこれから考えるとして、その機能を実質的にしようと思えば、福祉的機能がなければやっぱりいけないのは明らかであります。また、一方でDVの問題は児童虐待と密接に関係しているということも明らかになっています。ですから、児童虐待対策を進めようと、この間市長もいろいろと言われておりますけれども、そうであれば、DV対策も同時に進めなければいけない。そして、その意味でも、今言いましたようにますます健康福祉局の中で位置づけを明確にする必要があるのではないかというふうに思います。そこで、健康福祉局の中でドメスチック・バイオレンスを今後どのようにして位置づけていくのか、取り組みをしていくのか、健康福祉局長にお伺いしたいと思います。
 次に、改正DV法では都道府県に基本計画の義務が策定されました。名古屋市には平成13年に定められました男女共同参画プランがありますけれども、この改正DV法を受けて、何らかの新たなアクションプランなり指針なり、いろんなことを考えていく新しい対応を迫られていると思いますので、新しい枠組みが必要ではないかというふうに思います。名古屋市は政令市で関係ないというのではなくて、名古屋市の都市の規模に応じた対策を考える、名古屋市は義務がないから何もしなくていいというわけじゃないと思います。この点について、総務局長にお伺いしたいと思います。
 3点目に、ドメスチック・バイオレンス対策費の創設ということを伺いたいと思います。現在、DV対策費というものは、民間のシェルターに出しています50万円の家賃補助が2カ所ということで、計100万円というふうになっています。あといろんな啓発とかそういうことについては、いろんな予算の中でDV対策もやっているということであって、DV対策に特化したようなメニューは、この100万円しかないと私は思っています。つながれっとで相談をしているといっても、つながれっとはDV対策のために位置づけられている施設ではありませんし、その意味ではワン・オブ・ゼムのような位置づけになっているわけです。市長は、児童虐待に対して強い決意で取り組むと公言されていますし、先ほど言いましたように、児童虐待と重なったり、それと裏表の関係にあるようなDV対策に対してもっと積極的な姿勢を示すべきでありますし、改正DV法の中には被害者の子への接見禁止命令が規定されたりしておりまして、その意味でも新たな取り組みを積極的に行っていく必要がある。そのためにはシェルターへの補助だけではなくて、DV対策事業費というようなものをしっかりと項目立てて予算の裏づけを持った取り組みが必要になってくるのだと思います。この点について、市長に伺いたいと思います。
 
◎松原武久市長
 ドメスチック・バイオレンス、DVは緊急かつ重要な課題の一つであると認識をいたしております。ただいま議員御指摘ございましたように、60%の人がその被害を受けておる、あるいは加害行為をしたことがあるといったことがある。同時にまた、これは幼児虐待とも密接に関連する部分があるといったことで、大変重要な課題であるというふうに私思っております。
 そのDVにどのように対処していくべきかを考えましたときに、DV被害者の安全確保はもとより、住まいや仕事の確保、あるいは子供の通学の問題など、生活再建と自立のため、実にさまざまな支援が必要であるというふうに思っております。それらを進めていくためには、多くの関係機関との連携が重要だというふうに思っております。特化した予算がないからと、こういった理由でそれぞれの事象に対応しないということがあってはならぬというふうに思っております。今後とも関係方面と十分に連携協力いたしまして、被害者支援の実効性を上げるように一層努力してまいりたいというふうに思っておるところでございます。

◎健康福祉局長
 現在、福祉事務所ではDVケースのうち被害者が子供と一緒の場合には、まず民生課児童係において相談に応じまして、緊急な場合には母子等緊急一時保護を実施するほか、必要に応じて母子生活支援施設などへの入所事務を行っております。また、その後、生活にお困りの場合には保護係で相談に対応するなど、それぞれのケースの状況に応じて自立に向けた対応に努めているところでございます。
 また、児童相談所におきましても、福祉事務所と連携してDV世帯の児童の一時保護を行うとともに、必要に応じて男女平等参画推進センターに児童相談所の児童福祉司が出向きまして、一緒に相談に応じる、そういった体制も最近とり始めたところでございます。今回、いわゆるDV法の改正の中で、福祉事務所に対して児童福祉法などの法令の定めるところにより、被害者の自立支援のための必要な措置を講ずる努力義務が明記されたところでございますが、ただいまお答えいたしましたとおり、実態としましては従来より福祉分野において、この問題には本来業務の位置づけの中で取り組んでいるところでございまして、今後とも、より一層関係局あるいは関係機関との連携を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◎総務局長
 本年6月にDV防止法が改正されまして、それによりますと、国はDVの防止及び被害者の保護のための施策に関しまして基本方針を定め、都道府県は基本計画を策定することが義務づけられております。しかしながら、現在国の基本方針の具体的な内容につきましては明らかになってはおりません。一方、本市では既にDV対策も含めた男女平等参画推進のための長期計画といたしまして、男女共同参画プランなごや21を策定しております。この推進状況につきましても、毎年報告としてまとめ、その結果を公表しているところでもございます。本市といたしましては、今後ともこの男女共同参画プランなごや21に基づきまして施策を推進してまいりたいと考えておりますけれども、この改正法に示されました基本計画につきましても、国の基本方針が示されました後、改めて検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

障害者への市営住宅の供給策 その1 抽選方法について

◎斎藤亮人議員
 私、2月議会で受益者負担のことについて伺いました。今、名古屋市の中では受益者負担という言葉とともに、公平・公正という言葉がよく使われるわけであります。公平・公正。しかし、この言葉がどうも私は四文字熟語のように軽く使われているんではないかということを考えているわけです。例えばそれを、車いす住宅等の障害者の市営住宅への入居の制度を例にとって考えたいと思うんです。今は、これ福祉向け住宅、抽せんをやっております。私は、抽せんをやって選んでいくこと、これは確かに公平だと思うんですね。いろんな横やりが入るわけではなくて、しっかりと公平に機会を均等にして選んでいく、その意味ではいいわけですけれども、私がいろいろ見聞きしたりいろんなことを体験しますと、本当に障害が重度で大変な人がなかなか当たらない、家庭の状況も大変である、こういったことは抽せんでは考慮されないわけであります。
 私は一定レベルの入居枠を設け、抽せんから外れた人の中から、その切迫度、緊迫性を考慮した選定をおこなう制度があってもいいのではないかと思います。
 特別養護老人ホームの場合、契約制度の中で先着順というのを是正するために、状況を見て順番を飛び越えるというようなことも実際やっているわけであります。これはある意味、公正さを担保するという意味でそういうこともやり始めているわけです。私は、こういうことを考えるときに、公平だけではなくて公正さを担保するという意味で、つくり方、基準というものは難しいものがありますが、一定程度の枠を入居選定委員会みたいなものをつくり選ぶという方法があってもいいのではないかと思います
市長は今の選考方法について公平・公正であるかということについて伺いたい。そしてまた、この入居方法について見直す考えはないか、健康福祉局長に伺いたいと思います。

◎松原武久市長
 市民の皆様の信託にこたえるために、かねてから公平・公正な市政運営に心がけてまいったところでございます。私どもこれを、仕事を円滑といいますか、うまく進めていくための隠れみのに公平・公正という四字熟語を使っているということはないというふうに私は思っているところでございます。
 市営住宅の入居募集につきましては、一般募集とは別に福祉向け市営住宅として、一人親世帯あるいは障害者世帯及び高齢者世帯の区分で実施をいたしておりまして、このうち障害者世帯におきましては、車いす利用者専用住宅とそれ以外の住宅との区分で募集をいたしておるところでございまして、個々の募集住宅に複数の方からの応募があった場合、公開抽せんで入居予定者を決定いたしておりますけれども、この公開抽せん方式は公平・公正な取り扱いであると考えておりまして、これまでも市民の皆様から理解をいただいているというふうに考えております。今後、これにかわる本当にいい方法があると、こういうことであるならば、またいろいろ考えてまいりたいというふうに思います。

◎健康福祉局長
 障害者の方を対象とした市営住宅の入居募集につきましては、一般募集のほか、福祉向け市営住宅募集を年2回実施しております。公開抽せん方式ではなく、入居選定委員会を設置などして優先順位をつけることにつきましては、市営住宅入居を希望される障害者の方は大変多く、例えば平成15年度の場合、70戸の募集に対しまして741名の方から応募があったところでありまして、これは身体障害者、知的障害者、精神障害者と広範な障害種別の方々からの応募でございます。これらの障害者の方々の障害状況、あるいは住宅の困窮度などにより優先順位をつける方法と、現行の公開抽せん方式とを比べますと、公開抽せん方式の方が市民の皆様から理解を得られるものと考えておるところでございますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。
 なお、住宅都市局との連携につきましては、とりわけ障害者施策における住宅問題というのは重要というふうに認識しておりますので、今後とも十分連携を図ってまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◎斎藤亮人議員
 市長さん、公平・公正を隠れみのにしてはいないと言われました。しかし私先ほど言いましたように、抽せんは公平だと、だけども、先ほど言ったような一人一人のニーズ、あり方に着目するということが本当に必要ではないかというふうに思うんです。そうでなければ、本当の意味での公正、公がかかわる意味というのは僕はないんじゃないかというふうに思うんです。その意味で、今の抽せん制度が公平・公正だというふうに言われてましたけれども、本当にほかにあるならばというふうに答えられました。もう一度その辺の公平・公正に関する感想だけを2点、市長と住宅都市局に伺いたいと思います。

◎松原武久市長
 再度お尋ねをいただきました。繰り返してまことに恐縮でございますけれども、障害者の方につきましては、一般募集とは別に優先枠を設けて市営住宅の入居募集を実施いたしているところでございます。先ほど健康福祉局長も申しましたように、個々の障害者の方の障害状況などによりまして優先順位をつけるという方法は、現状では公開抽せんの方式と比べてみたときに、かえっていろいろ難しい問題が起きるように思えます。そういう意味で、現状の公開抽せん方式の方が公平・公正であると。公正に関して、今、議員と私どもと見解が少し分かれておって、まことに申しわけないというふうに思っておりますけれども、現状ではこの方法でやっておると、このことを御理解いただきたいというふうに思います。

2004年03月04日

受益者負担問題について(2004年2月議会)

◎斎藤亮人議員
 今回の予算案の中で、受益者負担という問題が一つ大きなテーマになっています。今私の気持ちは、受益者負担という怪物が名古屋市庁舎内をうろついていると、そういう感じであります。今回の質問する動機は非常に簡単でした。予算に関する資料をもらいまして、使用料、手数料のところをぺらぺらとめくっていきますと、何かこういらいらしてくるわけです。そして、特に施設利用料の高齢者の大人料金2分の1のところに来ますと、私のいらいらは頂点に達しました。幾ら何でもこれはやり過ぎじゃないかというふうに思ったわけです。
 そう思う理由を幾つか述べながら質問をしたいと思います。3年半前の9月議会のときに、医療費助成への所得制限の問題について多く議論をしました。私も健康福祉委員会に属しておりまして、そこに市長さんも出席されましたので覚えておられると思いますけれども、そこで私は名古屋市の福祉のあり方についての基本的な議論をしていないのに、財源の問題をきっかけに制度を変えるのはおかしいのではないかということを言いました。それで、そのときの所得制限の導入というのは名古屋の福祉の大きな転換点ではないかというふうに市長さんに伺いました。そのときに市長さんは、その際、医療費の所得制限導入は抜本的、出直し的改革ではないと認識していると言われたわけです。覚えておられますかね。
 その議論を受けて、社会福祉審議会の中で福祉のあり方の議論がされまして、その結果、平成15年1月には今後の福祉のあり方についての意見具申というものがまとめられてきたわけです。その中で、サービスを受ける者と受けない者とさんざん言われているような公平化の問題、受益者負担の問題が出てきました。しかし、この意見具申の内容は、この意見具申に先立って示されています財政健全化計画の中で示されている内容をほぼそのまま踏襲しているだけです。つまり、その意見具申というものは、財源のない時代にどう対応するかという方法論だけが示されているわけです。手法の問題だけが示された。
 しかし、残念ながら、福祉施策の内容についての基本的な議論は、それから提案というものは、その意見具申の中では全く盛り込まれていないわけであります。それで、こういう流れを受けて、次は公的関与のあり方点検指針というのが示されて、これに基づいて定員管理や予算の審査、行政評価などをして施策の点検や検証、見直しをするんだというようなことになってきているわけです。この流れは非常に重要なことなので、振り返ってみたわけです。
 そこで、受益者負担について考え方を進めるわけですけれども、市長さんは、今回の予算の提案理由の中でも、受益者負担の適正化の中で市民利用施設の高齢者料金について統一化を図ることにしたんだというふうに言っています。しかし、答弁の中に何回も出てきますけれども、つまり、利用をしている、していないで不公平感があるんだと。果たして本当にそうでしょうかね。すぐ損得の話になるわけです。利用している人は得をしていて、利用していない人は損をしているんでしょうかね。私はこういう薄っぺらの受益者負担論というのは、市民の中に単に損得勘定を育てるだけじゃないかというふうに思うんです。だから、今の受益者負担論では不十分だと思うんです。そもそも何で税金を払うんでしょうかね。そこにはお互い助け合うという意味で税金を払っているわけです。
 私はスポーツセンターはほとんど、申しわけないですけれども、余り利用していませんけれども、私の知っている人で、車いす使っている人でしょっちゅうプールに入っている人がいます。じゃあその人たちが無料で使っていて安く利用しているから、私は損をしたかというと全くそんな気分になりませんよね。それで、私があしたから急に気が変わってプールに行こうと思ったら、車いすで行きやすいような施設になっているわけです。それは税金を投入してそういうふうにやっているからです。そういうふうに考えたら不公平感はないわけです。年金の問題にしても、例えば年金がもらえる年齢前に亡くなるかもしれない。それでも払うわけですよね。
 だから、いつ利用するかもしれないし、利用できないかもしれない。そういった意味において、私というものを、将来の受益者として考えたときに、ある意味公的な存在でもあるんじゃないかというふうに思うんです。そうすると、利用した者だけが、何かを受け取った者だけが受益者ではないというふうに考えた方がいいんじゃないかと考えます。
 そうすると、市長は、こういう流れを受けて、昨年11月議会の答弁の中で受益者負担の適正化についての統一的な基準を1年以内をめどにつくりたいというふうにも言ってみえました。それから一昨日の本会議のときにも、施設利用の子供料金の件については、今後公的関与のあり方の中で何か示していきたいみたいなことを言われていました。これは議論の順番がどこか間違っているんじゃないかと思うんです。基準も示さない、一方で、あることについては公的関与のことを議論してから決めるんだというふうに言っているわけです。私がいらいらする原因というのはこういうことにあると思うんです。議論の順序がおかしいんじゃないかと。
 そこで、私は市長に聞きたいわけです。今回の予算案に示されている改革というこの受益者負担をどんどんやるということは、名古屋の福祉の根本的な転換に当たるのかと、そういうふうな認識があるのかということをまず聞きたいです。
 それと、この受益者負担の原則の議論が私にとっては終結していないまま今回改定を行ったというふうに思うわけですけれども、それでも原則は、なぜ改定を今回この2分の1ということで行ったのか。それとも何かある程度もう議論は進んでいると認識されているのか。そこのところを答弁していただきたいと思います。
 それと、私がさっき言いましたように、何か損得勘定なようだけの受益者負担になっているのではないかという指摘についてどのように考えるのか、これについてもお答えいただきたいというふうに思います。
 それと、あと、教育長と緑政土木局長にはそれぞれ同じことを伺いますので、これは端的に答えてください、時間がありませんので。なぜ高齢者のこの施設利用を大人料金の2分の1になぜしたのか。それから、見直しによってこの運営費に対する使用料の収支比率がどれだけ改善されるのかということを、その2点について端的にお答えください。
 
◎松原武久市長
 ただいま受益者負担の原則について、斎藤議員から、利用している人が得で、していない人が損、そのように単純にしか考えていないのではないか、いつかは自分が利用する人に回るかもわからないと、そういう気持ちで負担しておられる方があるのではないかと、そういった意味で受益者負担をそう単純に考えるべきでないと、こういうような御指摘をいただいたわけでございます。
 私どもは、今御指摘の社会福祉審議会の答申も受け、なおかつその前に出しました財政健全化計画、そういったものと全体的にリンクしているということは事実でございます。そういう中で、何度も申し上げて恐縮でございますけれども、例えば、スポーツセンター1館の運営費と、総支出が大体2億円ぐらいかかると、その中で収入が大体6000万円くらいである。こういったようなことをずっとやっていったときに、いろいろ箱物をつくりながら、そしてその中の事業展開をしてきました。そういった中で、このままやっていけるであろうかといったことを強く考え、そういう中で一部受益される方の御負担をお願いをしたいということでやってきたわけでございます。そういう中で、全体的な統一性がとれていないのではないかといった今御指摘もいただいたわけでございまして、それにつきましては、公的関与のあり方等々も含めまして今後できるだけ早くこの統一基準を出してまいりたいというふうに思っておるところでございますので、御理解をお願いしたいと思っています。単純なことで割り切ったわけではないと、このことの御理解をいただきたいと思います。
 私が今社会福祉審議会の答申、それから財政健全化計画、そういったものをリンクして考えたという中に、福祉の根本的な考え方を変えたわけではないということを、やや言ったわけでございますが、きちっと言わなかったこと、恐縮でございます。福祉の根本的な考え方を変えたわけではございません。

◎緑政土木局長
 有料公園施設につきましては、維持管理や整備に多くの費用がかかり、受益者負担の考え方と良好な管理というその両面から有料としておるところでございます。しかしながら、この料金につきましては、社会教育的な要素と都市魅力の形成と、そういった両面の効果も考慮しながら設定しているところでございます。
 今回無料で御利用をいただいておりました高齢者の方々にも、財政健全化計画の一環として一定の御負担をお願いしたいと考えておりますので、よろしく御理解をお願いしたいと思います。

◎教育長
 私ども、スポーツ施設のこうした公共料金というのは、非常に設定が難しい部分がございまして、基本的には他の同様の施設や、あるいは他都市の状況等を見ながら料金を設定してきているというのが実情でございます。今回の2分の1ということも、これは当然名古屋市全体で決めていく話の中で決めてきたわけでございますけれども、私どもの観点から他都市の状況を見ておりましても、名古屋市同様に全額無料としておりますのは、広島、北九州、福岡の3都市でございます。大阪と札幌は高齢者料金を設定しておりますが、その他は大人料金を設定しておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。

◎斎藤亮人議員
私は何で2分の1にしたかということを聞いているのに、その理由を端的に答えてください。それは他都市をまねしたっていうことですか。

◎教育長
 2分の1の設定理由につきましては、一つは、全市的統一ということの観点から、私どもその立場からやっているということと、それから、私どもだけの考え方で申しますと、他都市の例を参考にしながら見ましたときに、大人料金のまま、一般料金のままのところと無料のところと両方ありますので、その折半で2分の1にしたと、こういうことでございます。それから、公共料金につきましては、一般的に民間と全く同じというわけにいきませんし、公共的な役割というのがございます。したがって、そういう中で、そのバランスというものを考えたときには、やはり他都市の例を一つの参考にしながら考えていくのも一つだというふうに私どもは考えております。
 それからもう一つ、答弁漏れで失礼いたしました。どのぐらいの利用率がというんですか、料金が向上するかということにつきましては、私どもの試算でいきますと、今のところ五、六%だというふうに理解しております。これ、とらえ方によっていろいろありますけれども、プールだけで考えるとそういうことでございます。

◎斎藤亮人議員
 まず一つは、市長の福祉のあり方が根本的に変わっていないんだと。いつ変わるんですかね。何をもってしたら根本的に変わるんですかね。12年度の福祉、医療費の助成で所得制限を入れてきた。その後14年度にも福祉給付金の廃止だとか、その後15年度にも、福祉金のいろんな見直しをしていますよね。そういう中で、一方でそれは確かに子育て支援の方にシフトしてきたということはありますよね。じゃあ、こういうやり方をしてきても、まだこれ転換していないのかと、今度敬老パスの問題も出ているわけですよ。私、敬老パスの見直しというのは、一定程度内容については評価するわけです。私は、これは見直しをした方がいいんじゃないかというふうに言ってきたわけですから。その内容についてはある程度評価しますけれども、しかし、敬老パスのこの見直しでも名古屋市の福祉はまだ転換しないと言うんだったら、何があったら転換するんですかね。
 やっぱりこれはもう少し福祉の具体的な、例えばどういう方向に持っていくのかと。在宅福祉に持っていくのか、住宅政策に問題があるとか、いろんなことがあると思うんです。そういうことを何か語らなければいけないし、それを抜きに、まだ変わっていない、まだ変わっていないとずるずるずるずるやっている中で、こうやって変わってきているんですよ。これについて、やっぱりしっかりと明確にもう一回答えていただきたいし、それから、先ほど教育長や緑政土木局長が答えたのは、全市的な取り組みだというんだったら、市長が全市的に2分の1にしたというんだったら、その根拠をもう一回示してください。

◎松原武久市長
 再度御答弁させていただきます。福祉の問題を根本的に変えたわけではないと、こう申し上げておりますのは、例えば、福祉給付金の問題を昨年お願いいたしました。今回敬老パスの一部負担ということをお願いをいたしております。そういう中で、少子化対策で言ったことは、大変喫緊な課題であると、こういった問題も法整備もされて起きてきたわけでございます。そういった点を踏まえ、また一方で、福祉に関する義務的経費が非常な勢いで増嵩しておるといった状態もございます。そういう中で、今までやってきた制度を何とか継続的、安定的にやっていかれないかといったことを考えて今苦慮し、どのような形で御負担をお願いするかと、こういった中でやってきておることでございまして、根本的な方法を変えたというわけではございません。そのようなことについての御理解をいただきたいと思っています。
 それから、減免の2分の1にしたということにつきましては、先ほど申しました利用者や非利用者の公平性を担保する上から、受益者が負担する分と市が政策的な配慮から公費負担する分とを等分とするという考え方から2分の1に統一させていただいたわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。

2003年09月19日

精神保健福祉相談員について(2003年9月議会)

◎斎藤亮人議員
精神保健福祉相談員は保健所で地域で生活する精神障害者の方の相談を受けたり、また地域の作業所での活動を応援したり、例えば精神障害者の方がホームヘルパーのサービスを受けたいというようなところでの利用のマネジメントをしたり、あと病院への入退院のやりとりを手伝ったりというようなさまざまな仕事をしているわけです。
 近年、精神保健に関する制度のメニューがふえまして、それに伴って仕事もふえているわけです。精神保健に関するニーズが高まっているということは、例えば具体的なデータで申しますと、通院医療費の公費負担というものがありますが、その件数を見ますと、3年で28.6%ふえている。それから、精神障害者の手帳を持っている人、これは3年で20%増加しています。ホームヘルプの利用も着実にふえていまして、ことしの3月とこの7月とのデータを比べてみましても、利用者で32%、派遣時間でも36%増えています。また相談員の相談数も、平成6年度から比べて60%も相談件数がふえていますし、平成12年度に比べましても19%も相談件数がふえています。相談のニーズが非常に広まっているわけです。
 また、国が示しました新障害者プランというのがありますけれども、その中で社会的入院と言われる、つまり本来は入院しなくてもいい患者さん、例えば、地域で受け入れる状態があれば本当は精神科の病院に入院しなくてもいい方が7万2000人いると言われています。そういった方々に退院してもらい地域で生活してもらおうという基本方針が示されているわけです。ですから、このような中で精神保健に関する仕事やニーズがますますふえていくということは確実なわけです。
 一方、例えば先ほど言いました精神保健相談員による相談件数というのは、平成6年からほぼ横ばいです。電話相談は増えているけれど、実際患者さんのお宅へ行ったりする数は平成6年からほぼ横ばいなわけです。結局、その精神保健相談員の数がふえていないから、電話では何とか対応できるけれども、現場までなかなか出かけていけないということです。
 確かに保健師さんが増員されています。精神保健の相談は保健師さんと連携しながらやっています。例えば平成10年ですと、精神保健福祉相談員が86%相談を受けていて、保健師さんが6%だったところが、平成14年には、相対的に保健師さんの相談件数がふえまして、相談員が79%、保健師さんが14%になっている。ですから、連携をしながら保健師さんが助けているというわけですけれども、しかし、現実には机も場所も別々、相談員さんも保健師さんも全然別の場所に座っているわけです。ですから、そういう意味では、日常的に細かいことを連携するというようなことにはなかなかしにくい状態があります。
 現在19名の精神保健相談員が各区に配置されています。そのうち、複数配置されているのは中川と港と中村の3区だけであります。それ以外は各区に1名しかいないわけです。そうすると、もちろん幾ら保健師さんと連携するとはいっても、1名で仕事をする。そしてまた、この仕事の性格上、個々人との関係性だとか地域の特性だとか経験というものが非常に重要視されますので、やっぱり1名では足りない。そしてまた、人が交代するにも、ノウハウを移転するという意味でも、1人では移転すらできないわけであります。そういった意味で私は、今の人員では足りないのではないかということを訴えたいわけです。
 この相談員という仕事は、委託化とか嘱託化というのは不可能な職種なわけであります。まずこの精神福祉相談員を増員しないと今後のニーズに対応できないというふうに思います。
 そこで質問します。この精神保健福祉相談員、現在の配置の状況について、どのような認識でおられるのか、考えを明らかにしていただきたいと思います。そして、人口の多い区から順次配置していく考えはないのかということ、2点を健康福祉局長にお伺いしたいと思います。

◎健康福祉局長
 近年、精神保健福祉に関する相談件数の増加や精神障害者ホームヘルプサービス事業の実施など、精神保健福祉相談機能の強化が求められておるところでございます。こうした中で、保健所では、精神保健福祉相談員と保健師などの関係職員との協力体制を確保するとともに、関係機関等との連携強化や職員の研修による能力向上を図るなど、その対応に努めているところでございます。また、精神保健福祉センターには精神保健福祉相談員や精神科医師、保健師などを配置し、技術援助や教育研修を通じて保健所活動の支援もいたしております。
 精神保健福祉相談員の配置につきましては、保健所と精神保健福祉センターの連携を含め、今後の検討課題と考えておりまして、人口要件など配置基準につきましてもその後の課題であると考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◎斎藤亮人議員
 精神保健福祉センターというのが中村区にあります。そことの連携をしながら考えるんだということであります。実はこの精神保健福祉相談員は、この職員の定数管理の厳しい中で当局にも努力していただいて、14年、15年と1名ずつ増員されています。しかし、これは実は、精神保健福祉センターの中に増員をされているということなんですね。映画であれば、事件は現場で起きているというふうになるわけですけれども、こういうさまざまな問題はやはり現場で起きるわけです。ですから私は、精神保健福祉センターに充実させるというのも一つの方法かもしれませんけれども、やはり私は、仕事が多いところとか人口の多いところの区へ優先的に配置をしていく必要がどうしてもあるだろうということなわけです。
 それがまず現場の、例えば地域に住む障害者の方々のニーズに的確にこたえる第1の方法ではないかというふうに思います。そのことについては、ぜひ努力していただきたいし、強く指摘をしておきたいと思います。

名古屋市のホームページのバリアフリー化について(2003年9月議会)

◎斎藤亮人議員
自治体にとってホームページというのは非常に重要であります。市民に対する顔、またIT社会における顔です。そして、ホームページのバリアフリー化については、近々これがJIS規格になる予定になっています。こういったことを踏まえまして、ホームページのバリアフリー化ということも早急に考える必要があるだろうと思うわけです。
 先日、視覚障害者の方とホームページを見てみました。早速市長のページを見たわけですね。まつたけネットというのがありまして、市長室に行こうと思いますと、ドアのノブをクリックすることになっているんですね。ドアのノブが点滅しているわけです。それを視覚障害者の方にクリックしてもらおうと思いますと、なかなか大変なわけですね。市長の部屋に入ったり、記者会見の様子を聞こうというふうに見ますと、なかなか至難のわざだったわけであります。
 例えば、福祉情報のページなんかで言いますと、視覚障害者用というふうに入り口があるわけですけれども、結局はそれは中身を見ますと、健常者というか、目の見える人たちのページと同じ内容でしかないとか、交通局の時刻表を頭文字で指定するときに、その頭文字のところを指定するものが、本当にちょっとした方法で見えるのに、それが画像であって見えなくなってしまっているとかいうようなことが多々あるわけであります。これはやはりどうしてもつくるときの方法論が問題だろうというふうに思います。
 現在、名古屋市には1万ページと言われるホームページの内容がありますけれども、それはつくるときにどういった形でつくるか、そしてどういうふうに管理するかという問題なわけです。現在は市民経済局が全体の管理をしているわけですけれども、しかし、先ほど言いましたように、交通局であるとか、例えば消防局であるとか、いろいろなところがそれぞれつくって、その中で独自に載せていくというか、勝手に載せていくというふうになっているわけであります。その意味ではなかなかチェックがきかない。
 その意味で私は、名古屋市のこのホームページの使い勝手について、管理をしている市民経済局長に、この使い勝手並びに市民からどのような形でアイデアを求めるのかというようなことについて意見を求めるのかということを聞きたい。それから、また今後、名古屋市のホームページの見直し作業をどのように進めるつもりなのか、またバリアフリーのチェックについての指針をつくるつもりはないのかどうか、この2点についてお伺いしたいと思います。
 
◎市民経済局長
 高度情報化社会の中にあって、市政情報を提供する媒体として、迅速性、双方向性にすぐれたインターネットを利用したホームページの役割は今後ますます増大していくものと思われます。現在本市では、市民に身近な市政情報を提供する名古屋市ホームページなどを、高齢者や障害者の方々に配慮しながら開設しているところでございますが、御指摘のようにバリアフリーの観点からはまだまだ課題があるものと存じております。
 今後、全庁的にホームページを管理する市民経済局といたしましては、高齢者や障害者の方々を初め、さまざまな層の市民の皆様の御意見をお聞きするとともに、ホームページの関連機器等の更新時期に合わせまして、新たなルールづくりのもとに、操作が簡単で検索しやすいホームページの構築に向けて検討してまいりたいと考えております。
 また、市長公式ホームページを初め、各局などが独自に構築しているもののうち、比較的システムが新しいものにつきましては順次改善に着手してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。

◎斎藤亮人
具体的に更新時期に合わせてルールづくりをするというふうに言われました。これはこういうふうにしていただきたいと思います。これは実は、来年度中にはこのルールづくりをしなければもう間に合わないということであります。ですから、先ほどのJIS規格にもなるということもありましたけれども、もう来年度の予算の中でしっかりとしたものをつくる、準備をする、そして立ち上げるということが必要です。最初が肝心であります。
 名古屋市の今のホームページが使い勝手が悪いというのは、実は、名古屋市は比較的早くホームページを立ち上げたわけですね。そして、その結果、なかなかつくりかえが難しいというふうな形にもなっています。ですから、早く対応するのはいいわけですけれども、その中身をしっかりと準備をする必要がある。そして、そのためには来年度にしっかりと予算を構えて検討していただきたいなというふうに思うわけです。
 いいホームページは評判を呼びますと、みんながアクセスをします。市民サービスの情報だけではなくて、例えば観光案内みたいなもの、それから名古屋市のさまざまな紹介というようなものも、アクセスが高まれば自動的に見てもらえるわけです。その意味では、ある面経費も節減されるはずであります。そういう意味でも準備をしっかりしていただきたいなというふうに思うわけです。
 先ほども指摘しましたように、各局にいろいろな見にくい部分があるわけです。ですから、そういうものはぜひ各局の方々が少しの配慮、それから少しの点検をすることによって、現状でも少し改善できる部分はあるのではないかというふうに思います。これについては、それぞれの各局でぜひ検討をしていただきたいなと強くお願いします。



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