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2004年09月21日
◎斎藤亮人議員
私、2月議会で受益者負担のことについて伺いました。今、名古屋市の中では受益者負担という言葉とともに、公平・公正という言葉がよく使われるわけであります。公平・公正。しかし、この言葉がどうも私は四文字熟語のように軽く使われているんではないかということを考えているわけです。例えばそれを、車いす住宅等の障害者の市営住宅への入居の制度を例にとって考えたいと思うんです。今は、これ福祉向け住宅、抽せんをやっております。私は、抽せんをやって選んでいくこと、これは確かに公平だと思うんですね。いろんな横やりが入るわけではなくて、しっかりと公平に機会を均等にして選んでいく、その意味ではいいわけですけれども、私がいろいろ見聞きしたりいろんなことを体験しますと、本当に障害が重度で大変な人がなかなか当たらない、家庭の状況も大変である、こういったことは抽せんでは考慮されないわけであります。
私は一定レベルの入居枠を設け、抽せんから外れた人の中から、その切迫度、緊迫性を考慮した選定をおこなう制度があってもいいのではないかと思います。
特別養護老人ホームの場合、契約制度の中で先着順というのを是正するために、状況を見て順番を飛び越えるというようなことも実際やっているわけであります。これはある意味、公正さを担保するという意味でそういうこともやり始めているわけです。私は、こういうことを考えるときに、公平だけではなくて公正さを担保するという意味で、つくり方、基準というものは難しいものがありますが、一定程度の枠を入居選定委員会みたいなものをつくり選ぶという方法があってもいいのではないかと思います
市長は今の選考方法について公平・公正であるかということについて伺いたい。そしてまた、この入居方法について見直す考えはないか、健康福祉局長に伺いたいと思います。
◎松原武久市長
市民の皆様の信託にこたえるために、かねてから公平・公正な市政運営に心がけてまいったところでございます。私どもこれを、仕事を円滑といいますか、うまく進めていくための隠れみのに公平・公正という四字熟語を使っているということはないというふうに私は思っているところでございます。
市営住宅の入居募集につきましては、一般募集とは別に福祉向け市営住宅として、一人親世帯あるいは障害者世帯及び高齢者世帯の区分で実施をいたしておりまして、このうち障害者世帯におきましては、車いす利用者専用住宅とそれ以外の住宅との区分で募集をいたしておるところでございまして、個々の募集住宅に複数の方からの応募があった場合、公開抽せんで入居予定者を決定いたしておりますけれども、この公開抽せん方式は公平・公正な取り扱いであると考えておりまして、これまでも市民の皆様から理解をいただいているというふうに考えております。今後、これにかわる本当にいい方法があると、こういうことであるならば、またいろいろ考えてまいりたいというふうに思います。
◎健康福祉局長
障害者の方を対象とした市営住宅の入居募集につきましては、一般募集のほか、福祉向け市営住宅募集を年2回実施しております。公開抽せん方式ではなく、入居選定委員会を設置などして優先順位をつけることにつきましては、市営住宅入居を希望される障害者の方は大変多く、例えば平成15年度の場合、70戸の募集に対しまして741名の方から応募があったところでありまして、これは身体障害者、知的障害者、精神障害者と広範な障害種別の方々からの応募でございます。これらの障害者の方々の障害状況、あるいは住宅の困窮度などにより優先順位をつける方法と、現行の公開抽せん方式とを比べますと、公開抽せん方式の方が市民の皆様から理解を得られるものと考えておるところでございますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。
なお、住宅都市局との連携につきましては、とりわけ障害者施策における住宅問題というのは重要というふうに認識しておりますので、今後とも十分連携を図ってまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
◎斎藤亮人議員
市長さん、公平・公正を隠れみのにしてはいないと言われました。しかし私先ほど言いましたように、抽せんは公平だと、だけども、先ほど言ったような一人一人のニーズ、あり方に着目するということが本当に必要ではないかというふうに思うんです。そうでなければ、本当の意味での公正、公がかかわる意味というのは僕はないんじゃないかというふうに思うんです。その意味で、今の抽せん制度が公平・公正だというふうに言われてましたけれども、本当にほかにあるならばというふうに答えられました。もう一度その辺の公平・公正に関する感想だけを2点、市長と住宅都市局に伺いたいと思います。
◎松原武久市長
再度お尋ねをいただきました。繰り返してまことに恐縮でございますけれども、障害者の方につきましては、一般募集とは別に優先枠を設けて市営住宅の入居募集を実施いたしているところでございます。先ほど健康福祉局長も申しましたように、個々の障害者の方の障害状況などによりまして優先順位をつけるという方法は、現状では公開抽せんの方式と比べてみたときに、かえっていろいろ難しい問題が起きるように思えます。そういう意味で、現状の公開抽せん方式の方が公平・公正であると。公正に関して、今、議員と私どもと見解が少し分かれておって、まことに申しわけないというふうに思っておりますけれども、現状ではこの方法でやっておると、このことを御理解いただきたいというふうに思います。